「就労ビザの申請を準備していたのに、会社から内定取り消しを告げられた」
「在留資格認定証明書(COE)の申請中に採用が取り消された」
「来日直前に会社の事情で内定がなくなってしまった」
このようなケースは決して珍しいものではありません。
景気の悪化や会社の経営状況の変化、事業縮小など、さまざまな理由で内定が取り消されることがあります。
就労ビザは、外国人本人だけではなく、採用する企業も関わる手続きです。
そのため、内定が取り消されると、就労ビザにも大きな影響が生じます。
しかし、内定取り消しになったからといって、必ずしも日本で働くことを諦める必要はありません。
この記事では、就労ビザと内定取り消しの関係、ケースごとの対応方法、注意点について詳しく解説します。
就労ビザは会社が決まっていることが前提
就労ビザは、「外国人本人」だけを審査する制度ではありません。
入管では、
-
採用する会社
-
業務内容
-
給与
-
雇用契約
-
会社の安定性
などを総合的に審査します。
つまり、
「この会社で、この仕事をする」という前提で許可されるビザ
なのです。
そのため、採用予定だった会社がなくなると、ビザ申請にも影響します。
内定取り消しが起こる主な理由
内定取り消しにはさまざまな理由があります。
例えば、
①会社の経営悪化
売上の減少や経営不振によって、採用計画そのものが中止されるケースがあります。
特に中小企業やスタートアップでは珍しくありません。
②事業の縮小・中止
予定していた新規事業が中止となり、採用予定がなくなることがあります。
外国人採用だけではなく、日本人採用も同時に取り消されるケースがあります。
③会社側の事情
担当者の交代や組織変更などにより、採用方針が変更される場合があります。
また、外国人雇用に必要な知識不足から、「ビザ取得が難しい」と誤解して採用を取りやめる企業もあります。
④本人の事情
履歴書の内容と事実が異なっていた場合や、必要書類を提出できなかった場合など、本人側の事情で内定が取り消されることもあります。
内定取り消しになると就労ビザはどうなる?
最も多い質問です。
答えは、
状況によって異なります。
ケース① まだビザ申請をしていない場合
まだ在留資格認定証明書(COE)の申請をしていない場合は、その会社での就労ビザ申請はできません。
新しい就職先を探し、その会社で改めて申請することになります。
ケース② COEを申請中の場合
入管で審査中に内定が取り消された場合は、原則として申請内容の前提がなくなります。
会社または申請取次行政書士から、入管へ事情を伝える必要があります。
新しい会社が決まった場合は、その会社で新たに申請することになります。
ケース③ COEが交付された後
在留資格認定証明書(COE)が交付された後であっても、その会社へ就職する予定がなくなった場合は、そのCOEを利用して来日することは適切ではありません。
COEは、特定の会社で働くことを前提に交付されているためです。
新しい勤務先が決まった場合には、その内容に基づいて改めて必要な手続きを行うことになります。
日本国内にいる人の場合
すでに日本で働いていて、転職先から内定をもらっていたものの、入社前に取り消しになったケースもあります。
この場合は、現在の在留資格や在留期間、退職・転職の状況によって対応が異なります。
例えば、
-
現在の会社に引き続き勤務している
-
すでに退職している
-
転職活動中である
では、必要な手続きが変わる可能性があります。
そのため、自分の状況に応じた対応を確認することが大切です。
焦って別の会社へ入社するのは危険
内定取り消しになると、「早く次の会社を見つけなければ」と焦ってしまう方も少なくありません。
しかし、仕事内容が現在の在留資格に適合していない会社へ就職すると、将来の更新や変更申請で問題となる可能性があります。
会社を選ぶ際には、
-
業務内容
-
学歴・職歴との関連性
-
雇用条件
-
会社の事業内容
なども確認することが重要です。
内定取り消しになった後に取るべき対応
内定取り消しの連絡を受けると、不安や焦りからすぐに次の就職先を探そうとしてしまう方も多いでしょう。
しかし、まずは現在の状況を整理し、適切な対応を取ることが重要です。
① 会社へ状況を確認する
まずは、内定取り消しが正式な決定なのか、一時的な延期なのかを確認しましょう。
確認しておきたい内容は次のとおりです。
-
内定取り消しの理由
-
採用再開の可能性
-
就労ビザ申請の状況
-
入管へ会社がどのような対応を行う予定か
理由を確認することで、その後の手続きが変わることがあります。
② 就労ビザ申請の状況を確認する
次に確認したいのが、就労ビザ申請がどの段階にあるかです。
例えば、
-
まだ申請していない
-
在留資格認定証明書(COE)を申請中
-
COEが交付済み
-
在留資格変更許可申請中
では対応方法が異なります。
申請状況が分からない場合は、会社や申請を依頼した行政書士へ確認しましょう。
③ 新しい勤務先を探す
新しい勤務先が決まれば、その会社を基に就労ビザの手続きを進められる可能性があります。
ただし、どの会社でもよいわけではありません。
入管では、
-
業務内容
-
学歴や職歴との関連性
-
雇用条件
-
会社の安定性
などが審査されます。
「早く就職したい」という気持ちだけで会社を決めるのではなく、就労ビザに適した職種かどうかも確認しましょう。
海外から来日予定だった場合
海外から日本へ来る予定だった方は、内定取り消しによって来日計画そのものを見直す必要があります。
新しい会社が決まれば、その会社が改めて在留資格認定証明書(COE)の申請を行うことになります。
以前の会社で取得したCOEを、そのまま別の会社で利用することはできません。
そのため、採用企業が変わった場合は、新たな手続きが必要になることを理解しておきましょう。
日本で転職予定だった場合
すでに日本に在留している方は、現在の在留資格や勤務状況によって対応が異なります。
例えば、
-
現在の会社に在籍している
-
すでに退職している
-
転職活動中である
など、状況ごとに必要な対応が変わります。
特に退職後に次の就職先が決まっていない場合は、在留資格に影響する可能性もあるため、早めに就職活動を進めることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 内定取り消しになったら就労ビザは必ず不許可になりますか?
いいえ。申請の進み具合や現在の状況によって対応は異なります。
新しい勤務先が決まれば、改めて申請できる場合があります。
Q2. COEが交付された後でも別の会社へ変更できますか?
COEは交付された会社での就労を前提としています。
勤務先が変更になる場合は、新しい会社に基づく手続きが必要です。
Q3. 日本にいる場合も同じですか?
日本に在留している場合は、現在の在留資格や退職・転職の状況によって対応が異なります。
早めに状況を整理し、必要な手続きを確認しましょう。
Q4. 新しい会社が見つかれば問題ありませんか?
新しい会社であっても、仕事内容や雇用条件が就労ビザの要件を満たしていることが重要です。
業務内容が在留資格に適合しているか確認しましょう。
まとめ
就労ビザは、「外国人本人」と「採用企業」の双方を対象に審査される制度です。
そのため、内定取り消しになると、就労ビザ申請にも影響が及びます。
しかし、内定取り消しになったからといって、日本で働く道が閉ざされるわけではありません。
まずは申請状況を確認し、新しい勤務先が決まった場合には、その会社で適切な手続きを進めることが大切です。
焦って会社を選ぶのではなく、自分の学歴や職歴、業務内容が就労ビザに適合しているかも確認しながら進めましょう。
就労ビザの手続きや転職に不安がある場合は、早めに行政書士などの専門家へ相談することで、安心して今後の手続きを進めることができます。
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