外国人を採用する企業や外国人本人から、よくいただく質問が、
「まだ入社していませんが、就労ビザは申請できますか?」
「内定だけでも手続きできますか?」
「入社後でないと申請できませんか?」
というものです。
結論から言うと、就労ビザは内定中でも申請することが可能です。
むしろ、多くのケースでは入社前に就労ビザの手続きを行い、許可を受けたうえで勤務を開始します。
この記事では、内定中の就労ビザ申請について、申請できるタイミングや必要書類、注意点などを詳しく解説します。
就労ビザは「内定」でも申請できる
就労ビザの審査では、「すでに働いていること」は必須条件ではありません。
重要なのは、
-
日本で働く予定があること
-
雇用契約が成立していること
-
業務内容が在留資格に適合していること
です。
そのため、正式な雇用契約や内定通知書などがあり、採用が決まっていれば、入社前でも申請できます。
実際、多くの外国人社員は入社日より前に在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請を行っています。
なぜ入社前に申請するの?
もし入社後に申請すると、就労ビザの許可が出るまで働けない場合があります。
例えば、海外から新たに来日する外国人の場合は、在留資格認定証明書(COE)の交付を受け、その後に査証(ビザ)の発給を受けて入国します。
この一連の手続きには一定の期間が必要です。
そのため、多くの企業では入社日の数か月前から準備を始めています。
海外から来日する場合
海外に住んでいる外国人を採用する場合は、通常、次の流れになります。
-
企業が採用を決定(内定)
-
在留資格認定証明書交付申請
-
認定証明書の交付
-
在外公館で査証(ビザ)申請
-
日本へ入国
-
入社
つまり、内定の段階で申請が始まるのが一般的です。
日本国内で転職する場合
すでに日本に住んでいる外国人が転職する場合も、内定後に手続きを進めることができます。
例えば、
-
留学生が就職する場合
-
他社から転職する場合
-
在留資格を変更する場合
などでは、内定が決まった時点で必要書類を準備し、在留資格変更許可申請や更新申請を行うことになります。
入社日が決まっている場合は、余裕をもって申請することが大切です。
内定だけで必ず許可されるわけではない
「内定があるから必ず就労ビザが許可される」というわけではありません。
入管では、内定だけでなく、次のような点も審査します。
-
学歴や職歴が業務内容と合っているか
-
業務内容が専門性を必要とする仕事か
-
会社の事業内容や経営状況
-
雇用条件が適切か
-
給与が日本人と同等以上か
つまり、内定は申請の前提条件の一つですが、それだけでは十分ではありません。
内定取消しになった場合は?
万が一、就労ビザの申請中や許可後に内定が取り消された場合は注意が必要です。
就労ビザは、その会社で働くことを前提として許可されます。
そのため、内定がなくなれば、その申請は前提を失うことになります。
この場合は、新たな勤務先が決まれば、その会社を基に改めて手続きを進める必要があります。
就労ビザ申請で必要になる書類
内定中に就労ビザを申請する場合は、通常の就労ビザ申請と同様に、本人と会社の双方で書類を準備します。
代表的な書類は次のとおりです。
本人が準備する書類
-
パスポート
-
在留カード(日本国内で手続きする場合)
-
証明写真
-
履歴書
-
卒業証明書・学位証明書
-
成績証明書(必要に応じて)
-
職歴を証明する書類(転職の場合)
特に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、学歴や職歴と仕事内容との関連性が重要な審査ポイントになります。
会社が準備する書類
企業側では、次のような書類を用意します。
-
雇用契約書
-
労働条件通知書
-
内定通知書
-
会社案内
-
登記事項証明書
-
決算書
-
法定調書合計表の写し(カテゴリーに応じて)
-
理由書(必要な場合)
会社のカテゴリーによって提出書類は異なりますが、「採用が正式に決まっていること」を示す書類が必要になります。
内定通知書だけで足りる?
「内定通知書があれば十分ですか?」
という質問もよくあります。
内定通知書は重要な資料ですが、それだけで許可が決まるわけではありません。
入管では、
-
雇用契約の内容
-
業務内容
-
勤務開始予定日
-
給与
-
勤務場所
-
労働時間
などを総合的に審査します。
そのため、雇用契約書や労働条件通知書など、採用条件が分かる資料を併せて提出することが望ましいでしょう。
入社日はいつに設定すればよい?
企業から、
「ビザがまだ許可されていませんが、入社日を決めても大丈夫ですか?」
という相談を受けることがあります。
一般的には、ビザ審査期間を考慮して余裕のある入社日を設定します。
就労ビザの審査期間はケースによって異なりますが、申請内容や混雑状況によっては想定より時間がかかることもあります。
そのため、採用担当者は余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
許可が出る前に働いてもいい?
これは非常に重要なポイントです。
原則として、就労ビザの許可を受ける前に、その在留資格で働くことはできません。
例えば、
-
海外在住者が来日して働き始める
-
留学生がフルタイム勤務を開始する
-
他の在留資格から就労ビザへ変更する
といった場合は、必要な許可を受けてから就労を開始する必要があります。
許可前に就労すると、不法就労と判断される可能性があるため注意が必要です。
企業が注意すべきポイント
外国人を採用する企業は、「内定が決まったらすぐ働いてもらえる」と考えないようにしましょう。
採用後は、
-
在留資格の種類
-
在留期限
-
業務内容との適合性
-
手続きに必要な期間
を確認し、十分な余裕を持って準備することが重要です。
また、採用予定者が現在どのような在留資格を持っているかによって、必要な手続きが異なります。
例えば、
-
海外在住者
-
留学生
-
転職者
では申請方法が変わるため、状況に応じた対応が求められます。
よくある質問
Q1. 内定だけでも就労ビザは申請できますか?
はい。正式に採用が決まり、雇用契約が成立していれば、入社前でも申請できます。
Q2. 入社前に許可が出なかったらどうなりますか?
原則として、就労ビザの許可を受けるまでは就労を開始できません。
入社日を変更するなど、会社と調整が必要になる場合があります。
Q3. 留学生でも内定中に申請できますか?
はい。卒業見込みで内定を得た留学生は、卒業後の就職に向けて在留資格変更許可申請を行うのが一般的です。
まとめ
就労ビザは、実際に入社していなくても、正式な内定と雇用契約があれば申請することが可能です。
実際には、多くの企業が入社前に手続きを進め、就労ビザの許可を受けたうえで勤務を開始しています。
一方で、内定があるだけで必ず許可されるわけではありません。
仕事内容と学歴・職歴との関連性、会社の事業内容や雇用条件なども重要な審査ポイントとなります。
また、就労ビザの許可前に働き始めることはできないため、企業・本人ともに余裕を持ったスケジュールで手続きを進めることが大切です。
外国人採用や就労ビザの申請で不安がある場合は、早めに専門家へ相談することで、スムーズな手続きにつながります。
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