外国人の方から、
「産休に入ると就労ビザは取り消されますか?」
「育休中でも在留資格は更新できますか?」
「会社を休んでいる間は日本に住み続けられますか?」
というご相談を受けることがあります。
結論から言えば、産前産後休業(産休)や育児休業(育休)を取得しただけで就労ビザが取り消されたり、不許可になったりすることはありません。
しかし、一定期間仕事をしていないことから、「更新に影響するのではないか」と不安になる方も少なくありません。
そこで今回は、就労ビザと育休・産休の関係、更新時の注意点、企業側が気を付けるべきポイントについて詳しく解説します。
就労ビザでも産休・育休は取得できる
外国人であっても、日本で働く労働者であることに変わりありません。
そのため、日本人と同様に労働基準法や育児・介護休業法などの保護を受けます。
つまり、
・産前休業
・産後休業
・育児休業
を取得することができます。
在留資格が「技術・人文知識・国際業務」であっても、「技能」「企業内転勤」であっても基本的な考え方は同じです。
育休・産休中でも在留資格はなくならない
就労ビザは「働いていること」が前提の在留資格です。
そのため、
「休んでいたら在留資格がなくなるのでは?」
と思われがちですが、そのようなことはありません。
産休や育休は法律で認められた休業制度です。
会社との雇用契約も継続しており、退職したわけではありません。
そのため、
・会社に在籍している
・育休・産休として正式に休業している
のであれば、在留資格が直ちに問題になることはありません。
更新申請への影響は?
最も多い質問が、
「更新時に休業していると不許可になりますか?」
というものです。
結論として、
育休・産休だけを理由に不許可になることは通常ありません。
入管が確認するのは、
・現在も会社との雇用関係があるか
・休業が制度に基づくものか
・復職予定があるか
です。
つまり、
「育児休業中だから更新できない」
ということはありません。
更新時に提出する書類
更新申請では通常どおり、
・雇用契約関係書類
・在職証明書
・会社資料
などを提出します。
育休中の場合は、会社が発行する
・育児休業取得証明
・復職予定の説明
などを添付すると、より分かりやすくなります。
会社側も、
「退職ではなく休業中である」
ことを説明できるよう準備しておくことが大切です。
収入が減っても大丈夫?
育休中は給与が支給されず、育児休業給付金を受給するケースがあります。
この場合、
「収入が減ったから更新できないのでは?」
と心配されるケースがあります。
しかし、
育児休業給付金を受給していること自体は問題ありません。
重要なのは、
・雇用関係が継続していること
・復職予定があること
です。
一時的な収入減だけで更新が不許可になることは通常ありません。
長期間の育休で注意すべきこと
育児休業は法律で認められた制度ですが、長期間仕事をしていない場合には、入管から現在の状況について確認されることがあります。
特に更新申請では、
-
現在も会社との雇用契約が継続しているか
-
育児休業中であること
-
復職予定があること
が重要になります。
例えば、育休が終了しているにもかかわらず復職していない場合や、会社との連絡が取れていない場合には、更新審査に影響する可能性があります。
そのため、会社とは定期的に連絡を取り合い、復職予定日などを確認しておくことが大切です。
退職した場合はどうなる?
産休や育休の途中で退職した場合は注意が必要です。
就労ビザは、許可された会社で活動することを前提としているため、退職するとその前提がなくなります。
退職後は、できるだけ早く次の勤務先を見つけ、在留資格の変更や就労先の変更手続きを行うことが重要です。
また、退職した場合には「所属機関に関する届出」を14日以内に出入国在留管理庁へ提出する必要があります。
この届出を忘れると、更新審査などで不利になる可能性があるため注意しましょう。
育休中に転職はできる?
育児休業中であっても転職自体は可能ですが、慎重な判断が必要です。
転職する場合は、
-
新しい仕事が現在の就労ビザで認められる業務内容であること
-
必要に応じて在留資格変更や就労資格証明書の取得を検討すること
が重要です。
また、育休中に退職すると育児休業給付金などに影響する場合もありますので、転職を検討する際は会社や専門家へ相談することをおすすめします。
会社が注意すべきポイント
外国人社員が育休・産休を取得する場合、会社側にも重要な役割があります。
特に更新申請では、
-
在職証明書
-
育児休業中であることの証明
-
復職予定日
-
雇用契約が継続していること
を説明できるよう準備しておくと、審査がスムーズになります。
また、外国人社員だからという理由で育休や産休の取得を制限することは認められません。
日本人と同様に制度を利用できるよう、適切な対応が求められます。
よくある質問
Q. 育休中でも就労ビザは更新できますか?
はい。育休中であることだけを理由に更新が不許可になることは通常ありません。
Q. 給与が出ていなくても大丈夫ですか?
育児休業給付金を受給しているケースも多く、一時的な給与の減少だけで更新が不利になることは通常ありません。
Q. 育休が終わったらすぐ復職しなければいけませんか?
原則として、会社との雇用契約に基づき復職することが前提です。
事情がある場合は会社と相談し、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
まとめ
外国人の方でも、日本で働く労働者であれば、日本人と同様に産休や育休を取得できます。
育児休業や産前産後休業を取得したことだけを理由に、就労ビザが取り消されたり、更新が認められなくなったりすることは通常ありません。
一方で、更新時には「現在も会社との雇用関係が続いていること」「休業が制度に基づくものであること」「復職予定があること」を客観的に説明できることが大切です。
また、育休中に退職した場合や転職する場合は、在留資格に関する手続きが必要になることがあります。
「育休中だから大丈夫」と思い込まず、ご自身の状況に応じた適切な手続きを行うことが、安心して日本で生活を続けるためのポイントです。
外国人社員の育休・産休に関する手続きや、就労ビザの更新でお困りの方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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