「会社を設立したばかりですが、外国人を採用できますか?」
「設立したばかりの会社では就労ビザは認められないのでしょうか?」
「まだ売上がほとんどありませんが、申請できますか?」
スタートアップ企業や新設法人の経営者から、このようなご相談をいただくことがあります。
結論から言うと、会社を設立したばかりでも就労ビザを取得できる可能性はあります。
ただし、新設法人は実績が少ないため、既存企業よりも事業の安定性や継続性について詳しく審査される傾向があります。
この記事では、新設法人が就労ビザを申請する際の審査ポイントや必要書類、許可されるためのポイントを詳しく解説します。
新設法人でも就労ビザは申請できる
入管法には、
「設立から○年以上経過していなければ就労ビザは申請できない」
というルールはありません。
つまり、
-
設立直後
-
設立1か月
-
設立3か月
であっても、申請自体は可能です。
実際に、新設法人でも就労ビザが許可されているケースは数多くあります。
なぜ新設法人は審査が厳しくなるのか
設立間もない会社は、
-
売上実績
-
決算書
-
納税実績
-
雇用実績
などが十分にありません。
そのため入管では、
「この会社は継続して事業を行えるのか」
という点を慎重に確認します。
つまり、「会社の将来性」や「事業の実現可能性」が重要な審査ポイントになります。
特に確認されるポイント
新設法人では、次のような点が重視されます。
① 事業内容が明確か
会社がどのような事業を行うのかが具体的であることが重要です。
例えば、
-
ITシステム開発
-
貿易業
-
コンサルティング業
-
飲食店経営
など、事業内容が明確であることが求められます。
「いろいろな事業を行う予定です」といった曖昧な説明では、事業の実態が伝わりにくくなります。
② 外国人の仕事内容が明確か
就労ビザでは、外国人本人が担当する業務内容も重要です。
例えば、
-
システムエンジニア
-
プログラマー
-
海外営業
-
通訳・翻訳
-
経営企画
など、在留資格に該当する専門的な業務であることを説明する必要があります。
単純作業が中心となる場合は、就労ビザの対象外となる可能性があります。
③ 安定した経営が見込めるか
設立したばかりの会社では、決算書がないケースも少なくありません。
その場合は、
-
事業計画書
-
資金計画
-
売上予測
-
取引予定先
-
契約書
-
見積書
などを提出し、事業の継続性を説明することが重要です。
事業計画書は、審査で重要な役割を果たす資料の一つです。
④ 給与を継続して支払えるか
就労ビザでは、外国人に対して安定した給与を支払えるかどうかも審査されます。
設立間もない会社では、
-
資本金
-
資金調達状況
-
銀行残高
-
売上見込み
などをもとに、給与支払い能力が判断されます。
そのため、無理のない給与設定と資金計画を示すことが大切です。
必要書類は既存企業より多くなることも
新設法人では、一般的な就労ビザ申請書類に加え、
-
法人登記事項証明書
-
定款
-
会社案内
-
事業計画書
-
オフィスの賃貸借契約書
-
ホームページ資料
-
取引先との契約書
-
銀行残高を示す資料
などの提出を求められることがあります。
これらの資料を通じて、会社が実際に事業を行う準備が整っていることを示すことが重要です。
許可されやすい会社の特徴
新設法人であっても、次のような会社は就労ビザが許可されやすい傾向があります。
① 事業内容が具体的である
「ITサービスを提供する会社」ではなく、
-
Webシステム開発
-
AIアプリケーション開発
-
ECサイト制作
-
海外向け貿易事業
など、事業内容が具体的で説明できることが重要です。
事業計画書にも、サービス内容やターゲット、市場分析などを盛り込むと説得力が増します。
② 事務所が確保されている
事業を継続して行うためには、適切な事務所があることも重要です。
例えば、
-
賃貸オフィス
-
レンタルオフィス(利用形態による)
-
シェアオフィス(利用実態による)
など、実際に業務を行える環境が整っていることを示せると有利です。
③ 資金計画がしっかりしている
設立直後は売上実績が少ないため、
-
資本金
-
銀行口座の残高
-
融資
-
出資金
などを通じて、事業を継続できる資金力があることを説明する必要があります。
また、外国人従業員への給与を継続して支払える見込みがあることも重要です。
④ 外国人を採用する理由が明確
なぜ外国人を採用する必要があるのかも審査のポイントです。
例えば、
-
海外顧客との取引拡大
-
母国語を活かした営業活動
-
システム開発の専門知識
-
海外市場への進出
など、外国人を採用する合理的な理由を説明できることが望まれます。
不許可になりやすいケース
次のようなケースでは、慎重な審査が行われる可能性があります。
① 事業計画が曖昧
「いろいろな事業を行う予定です」
「今後考えていきます」
といった内容では、事業の継続性を判断することが難しくなります。
② 実態のない会社
会社を設立しただけで、
-
オフィスがない
-
ホームページがない
-
事業準備が進んでいない
といった場合は、事業実態について疑問を持たれる可能性があります。
③ 業務内容が就労ビザに適合しない
外国人の仕事内容が、
-
レジ業務
-
接客のみ
-
倉庫作業
-
清掃業務
など、専門性を必要としない単純労働が中心の場合は、就労ビザの対象外となる可能性があります。
④ 給与額が不自然
日本人と比べて著しく低い給与や、会社の経営状況から見て支払いが困難と思われる給与設定では、審査に影響することがあります。
給与額だけでなく、継続して支払える体制を示すことが重要です。
よくある質問
Q1. 設立1か月でも就労ビザは申請できますか?
はい、可能です。
会社の設立から一定期間が経過していなければ申請できないというルールはありません。
Q2. 決算書がありませんが申請できますか?
可能です。
決算書がない場合は、事業計画書や資金計画、契約書などを提出して会社の継続性を説明することが重要です。
Q3. 売上がまだありません。
申請できますか?
売上実績がなくても、今後の事業計画や資金状況によっては許可される可能性があります。
ただし、事業の実現可能性を具体的に示す必要があります。
Q4. 一人会社でも就労ビザは取得できますか?
一人会社であることだけを理由に不許可となるわけではありません。
事業内容や資金計画、外国人の業務内容などを総合的に審査して判断されます。
まとめ
会社を設立したばかりでも、就労ビザの申請は可能です。
ただし、新設法人は売上や決算などの実績が少ないため、既存企業以上に事業の継続性や安定性が重視されます。
特に重要となるのは、
-
明確な事業内容
-
外国人の専門的な業務内容
-
十分な資金計画
-
実態のある事務所
-
継続的な給与支払い能力
です。
これらを裏付ける資料を十分に準備し、会社の将来性や採用の必要性を丁寧に説明することが、許可につながるポイントとなります。
新設法人で外国人の採用をご検討中の方は、早い段階から専門家へ相談し、必要書類を整えながら申請を進めることをおすすめします。
📚 あわせて読みたい関連記事
📄 就労ビザは内定中でも申請できる?
内定段階で就労ビザを申請できるケースや必要書類、申請時の注意点を分かりやすく解説しています。
📄 就労ビザは契約社員でも取れる?
契約社員でも就労ビザを取得できる条件や審査で重視されるポイントを分かりやすく解説しています。
📄 就労ビザ申請で知らないと損する5つのポイント
就労ビザ申請で失敗しないために知っておきたい重要なポイントを分かりやすく紹介しています。
📄 その仕事、本当に就労ビザで働けますか?
就労ビザで認められる仕事内容や対象職種、注意すべきポイントについて詳しく解説しています。
📄 実は違法かも?外国人雇用でよくある勘違い
外国人雇用で起こりやすい法令違反や企業が注意すべきポイントを分かりやすく解説しています。
📄更新で不許可になるケースとは?対策を解説
就労ビザの更新申請で注意すべきポイントを詳しく解説しています。