「外国人を採用したいけれど、会社はどんな書類を用意すればいいの?」
「本人が準備する書類と会社が準備する書類の違いが分からない。」
「書類が不足すると不許可になることはありますか?」
外国人を採用する企業の担当者から、このようなご相談をいただくことがあります。
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)の申請では、外国人本人だけでなく、企業側も多くの書類を準備する必要があります。
会社の規模やカテゴリーによって提出書類は異なりますが、必要書類が不足していたり、内容に不備があったりすると、審査が長引いたり追加資料を求められたりすることがあります。
この記事では、企業が準備する主な書類や、それぞれの役割、注意点について分かりやすく解説します。
なぜ企業の書類が必要なのか
就労ビザでは、外国人本人の学歴や職歴だけでなく、採用する会社が安定して事業を行っているかも審査されます。
入管は、
-
実際に事業を行っている会社か
-
継続して給与を支払えるか
-
外国人が専門的な業務に従事する予定か
などを確認するため、企業に対してさまざまな資料の提出を求めています。
企業が準備する主な書類
① 雇用契約書(労働条件通知書)
最も重要な書類の一つが、雇用契約書または労働条件通知書です。
ここでは、
-
職種
-
業務内容
-
勤務地
-
契約期間
-
労働時間
-
給与
-
各種手当
などが確認されます。
実際の仕事内容と申請内容に相違がないよう注意しましょう。
② 会社案内・パンフレット
会社の概要が分かる資料も提出します。
例えば、
-
事業内容
-
沿革
-
主要取引先
-
組織図
-
サービス内容
などが記載された会社案内やパンフレットがあると、事業内容を理解してもらいやすくなります。
ホームページの写しを提出するケースもあります。
③ 登記事項証明書
法人の場合は、会社の登記事項証明書を提出します。
この書類では、
-
商号
-
本店所在地
-
設立年月日
-
事業目的
-
資本金
などが確認されます。
提出する際は、発行から3か月以内のものを用意するのが一般的です。
④ 決算書・財務資料
会社の経営状況を確認するため、決算書などの財務資料を提出します。
例えば、
-
貸借対照表
-
損益計算書
-
法人税申告書
などが該当します。
設立間もない会社で決算書がない場合は、事業計画書や資金計画書などを提出して事業の継続性を説明することが重要です。
⑤ 給与支払いを裏付ける資料
外国人に対して継続的に給与を支払えるかどうかも審査対象です。
会社の規模や状況によっては、
-
銀行残高
-
資金調達資料
-
売上資料
などの提出を求められることがあります。
給与額は、日本人が同様の業務に従事する場合と同等以上であることが求められます。
⑥ 外国人の業務内容を説明する資料
就労ビザでは、「どのような仕事を担当するのか」が非常に重要です。
そのため、
-
職務内容説明書
-
組織図
-
配属部署の説明
-
業務フロー
などを提出し、外国人が専門的な業務に従事することを具体的に説明できるようにしましょう。
企業カテゴリーによって提出書類が異なる
就労ビザ申請では、企業は「カテゴリー1~4」に分類されます。
カテゴリーによって提出が必要な書類が異なるため、自社がどのカテゴリーに該当するかを確認しておくことが大切です。
カテゴリー1
主に、
-
上場企業
-
国・地方公共団体
-
独立行政法人
などが該当します。
社会的信用が高いことから、提出書類は比較的少なくなります。
カテゴリー2
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出している企業で、一定規模以上の会社などが該当します。
カテゴリー1と比べると提出書類は増えますが、カテゴリー3・4よりは簡略化されています。
カテゴリー3
一般的な中小企業の多くが該当します。
カテゴリー1・2より提出書類が多く、
-
決算書
-
法定調書合計表
-
登記事項証明書
などを準備する必要があります。
カテゴリー4
設立したばかりの会社や、決算実績がない会社などが該当することがあります。
カテゴリー4では、
-
事業計画書
-
資金計画
-
オフィスの写真
-
取引先との契約書
-
ホームページ資料
など、会社の実態を示す追加資料が求められるケースも少なくありません。
追加資料を求められやすいケース
提出書類だけでは判断が難しい場合、入管から追加資料の提出を求められることがあります。
例えば、
-
新設法人
-
売上が少ない会社
-
赤字決算
-
外国人を初めて採用する会社
-
職務内容が分かりにくいケース
などでは、追加資料が求められる可能性があります。
追加資料の提出期限は限られているため、迅速かつ正確に対応することが大切です。
よくある書類の不備
① 業務内容が曖昧
「営業」「事務」といった記載だけでは、外国人が専門的な業務に従事することが伝わりません。
具体的な仕事内容を記載しましょう。
② 雇用契約書と申請書の内容が違う
勤務場所や給与額、職務内容が一致していないと、追加資料や修正を求められることがあります。
提出前に内容を確認しましょう。
③ 決算書の不足
必要な決算資料が不足すると、審査が長引く原因になります。
会社のカテゴリーに応じた書類を準備することが重要です。
④ 会社資料が古い
ホームページや会社案内の内容が現在の事業内容と異なる場合は、実態を正確に反映した資料を提出しましょう。
よくある質問
Q1. 会社案内がありません。どうすればいいですか?
会社案内がない場合は、ホームページの写しや事業内容をまとめた資料を提出することで対応できる場合があります。
Q2. 小規模企業でも就労ビザは申請できますか?
はい、可能です。
会社の規模だけで判断されるわけではなく、事業の継続性や外国人の業務内容などが総合的に審査されます。
Q3. 決算が赤字でも大丈夫ですか?
赤字だから直ちに不許可になるわけではありません。
ただし、今後の事業計画や資金状況などを説明できる資料を準備することが重要です。
Q4. 外国人本人が会社の書類を集める必要がありますか?
会社しか取得できない書類も多いため、企業と外国人本人が協力して準備を進めることが大切です。
まとめ
外国人を採用して就労ビザを申請する際は、企業側も多くの書類を準備する必要があります。
特に重要なのは、
-
雇用契約書
-
登記事項証明書
-
決算書
-
会社案内
-
業務内容説明書
などです。
また、会社のカテゴリーによって必要書類は異なり、新設法人や実績の少ない会社では追加資料が求められることもあります。
書類の内容に不備や矛盾があると審査が長引く原因になるため、事前に十分な確認を行うことが大切です。
外国人採用をスムーズに進めるためには、企業と外国人本人が連携し、必要書類を正確に準備することが就労ビザ取得への近道となります。
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