「同じ会社の中で転勤になりました。就労ビザの手続きは必要ですか?」
「東京から大阪へ転勤する予定ですが、入管へ届出をしなければなりませんか?」
「海外営業部へ異動することになりましたが、在留資格に影響はありますか?」
外国人社員や企業の人事担当者から、このようなご相談をいただくことがあります。
結論から言うと、同じ会社内で勤務地が変わっただけであれば、直ちに就労ビザの変更申請が必要になるとは限りません。
しかし、転勤に伴って業務内容や所属機関、在留資格との適合性が変わる場合は、手続きが必要になるケースがあります。
この記事では、勤務地変更や転勤時に必要な届出や注意点について詳しく解説します。
転勤=就労ビザの変更ではない
まず知っておきたいのは、就労ビザは「勤務地」そのものではなく、許可された活動内容に対して与えられる在留資格であるということです。
そのため、
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東京支店から大阪支店へ転勤
-
横浜支店から名古屋支店へ異動
など、同じ会社で業務内容が変わらない場合は、勤務地が変わるだけで直ちに在留資格変更許可申請が必要になるわけではありません。
勤務地変更だけなら問題になりにくいケース
例えば、次のようなケースでは、通常は勤務地変更だけを理由に在留資格が問題となる可能性は低いでしょう。
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本社から支店への異動
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支店から本社への異動
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同じ職種・同じ業務内容で勤務地のみ変更
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担当エリアの変更
このような場合は、外国人が従事する「活動の内容」に大きな変更がないためです。
ただし、勤務先の所在地が変わることで、住居も変更する場合には、市区町村への転入・転出手続きや在留カードの住所変更手続きが必要になります。
手続きが必要になるケース
一方で、転勤に伴い次のような変更がある場合は注意が必要です。
① 業務内容が大きく変わる
例えば、
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システムエンジニアから営業職へ変更
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海外営業から工場作業へ変更
-
通訳から店舗スタッフへ変更
など、専門性や仕事内容が大きく変わる場合は、現在の就労ビザに適合するかどうかを改めて確認する必要があります。
② 所属会社が変わる
グループ会社への出向や転籍で、雇用主が変更になる場合は、単なる転勤とは異なります。
会社が変わるケースでは、
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所属機関に関する届出
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必要に応じて在留資格変更許可申請
-
就労資格証明書の取得
などを検討する必要があります。
③ 在留資格との適合性が変わる
就労ビザでは、「どのような業務を行うか」が審査の中心です。
勤務地変更をきっかけに、
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専門業務が減少する
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単純労働が中心になる
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学歴や職歴との関連性が失われる
といった場合は、更新時の審査で問題となる可能性があります。
転居した場合は住所変更が必要
転勤に伴い引っ越しをした場合は、在留資格とは別に住所変更の手続きが必要です。
新しい住所へ住み始めた後は、法律で定められた期間内に、市区町村で住民異動の手続きと在留カードの住所変更を行う必要があります。
この届出を怠ると、更新や永住申請の際に影響する可能性もあるため、忘れずに手続きを行いましょう。
就労資格証明書の活用
転勤や業務内容の変更に不安がある場合は、就労資格証明書の取得を検討する方法もあります。
就労資格証明書は、現在の業務内容が在留資格に適合していることを確認するための証明書です。
法律上、取得は義務ではありませんが、
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転勤後の業務に不安がある
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更新前に確認しておきたい
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会社としてリスクを減らしたい
という場合には、有効な選択肢となります。
企業側が注意すべきポイント
外国人社員の転勤では、「同じ会社だから問題ない」と考えてしまうケースがあります。
しかし、企業側は転勤後の業務内容や勤務形態が就労ビザに適合しているかを確認することが重要です。
特に次の点を確認しましょう。
① 業務内容に変更はないか
勤務地だけが変わるのであれば、通常は大きな問題になりません。
しかし、
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エンジニアから営業職
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通訳から接客業務
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経理から工場作業
など、業務内容が大きく変わる場合は注意が必要です。
就労ビザは「仕事内容」に対して許可されるため、専門性のない業務が中心になると更新時の審査にも影響する可能性があります。
② 雇用契約書を見直す
転勤に伴い、
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勤務地
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所属部署
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職務内容
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給与
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勤務時間
などが変更になる場合は、雇用契約書や労働条件通知書も実態に合わせて見直しておきましょう。
更新申請では、現在の勤務実態と提出書類の内容が一致していることが重要です。
③ 人事異動の記録を保管する
転勤辞令や異動通知書などは、業務内容や勤務地の変更経緯を説明する資料として役立つことがあります。
更新申請や追加資料の提出を求められた際に備え、適切に保管しておきましょう。
更新時に問題になりやすいケース
勤務地変更そのものではなく、転勤後の勤務実態が問題となるケースがあります。
ケース① 専門業務がほとんどなくなった
例えば、
就労ビザではシステムエンジニアとして許可を受けたにもかかわらず、転勤後は在庫管理やレジ対応などの業務が中心となっている場合です。
専門的な業務に従事していないと判断されると、更新時に不利になる可能性があります。
ケース② 実際の仕事内容が申請内容と違う
雇用契約書には「海外営業」と記載されていても、実際には配送業務や単純作業が中心となっている場合は、申請内容との不一致が問題になることがあります。
ケース③ 転籍しているのに手続きをしていない
グループ会社間で転籍し、雇用主が変更されているにもかかわらず、必要な届出や手続きを行っていない場合は注意が必要です。
転勤なのか、転籍なのかによって必要な手続きは異なります。
よくある質問
Q1. 東京から大阪へ転勤しました。入管へ届け出る必要がありますか?
同じ会社で勤務地だけが変わり、業務内容も変わらない場合は、通常、勤務地変更だけを理由に在留資格変更許可申請は必要ありません。
ただし、転居した場合は住民登録や在留カードの住所変更手続きが必要です。
Q2. 支店長になりました。手続きは必要ですか?
役職が変わるだけでは、直ちに手続きが必要になるとは限りません。
ただし、仕事内容が大きく変わる場合は、現在の在留資格との適合性を確認することが重要です。
Q3. グループ会社へ出向します。大丈夫ですか?
出向の形態によって必要な手続きが異なります。
雇用主が変わるのか、給与の支払元はどこかなどを確認し、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
Q4. 転勤後の仕事が現在の就労ビザに合っているか不安です。
そのような場合は、就労資格証明書の取得を検討する方法があります。
更新前に適合性を確認できるため、企業・本人ともに安心して勤務を続けることができます。
まとめ
転勤によって勤務地が変わっただけであれば、通常は就労ビザの変更申請は必要ありません。
しかし、転勤に伴って業務内容や雇用主が変わる場合は、在留資格との適合性や必要な届出について慎重に確認する必要があります。
また、転居を伴う場合は、市区町村での住民異動手続きや在留カードの住所変更も忘れてはいけません。
企業側は、転勤後の仕事内容が就労ビザの範囲内であることを確認し、雇用契約書や異動辞令などの書類を適切に整備しておくことが重要です。
転勤や勤務地変更に不安がある場合は、事前に確認・準備を行うことで、更新申請や将来の永住申請にも安心して備えることができます。
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