経営管理ビザの申請を検討している方から、
次のような質問をいただくことがあります。
・カテゴリーとは何ですか?
・自分の会社はどの区分に当てはまるのか?
・カテゴリーによって審査は変わるのか?
・必要書類が違うと聞いたが本当か?
結論から言うと、経営管理ビザには
申請人や会社の規模・信用度に応じた「カテゴリー(区分)」が存在し、提出書類や審査の重点が変わります。
このカテゴリーを正しく理解していないと、
・不要な書類を提出してしまう
・逆に必要書類が不足する
・審査で不利になる
といったリスクがあります。
この記事では、経営管理ビザのカテゴリーの仕組み、各区分の違い、必要書類の考え方について、一から分かりやすくお伝えします。
1.経営管理ビザのカテゴリーとは
経営管理ビザのカテゴリーとは、入管が申請案件を整理するために設けている区分です。
主に
企業の規模・安定性・信用力に応じて、次の4つに分類されます。
・カテゴリー1
・カテゴリー2
・カテゴリー3
・カテゴリー4
この区分によって、
・提出書類の量
・審査の厳しさ
・立証の方法
が変わってきます。
一般的には、カテゴリー1に近いほど審査が簡略化され、カテゴリー4に近いほど詳細な資料が求められるという傾向があります。
2.カテゴリー1〜4の違い
それぞれのカテゴリーの特徴を順に解説します。
①カテゴリー1(最も信用度が高い)
カテゴリー1は、最も信用力が高い企業が該当します。
次のいずれかに該当する機関になります。
-
日本の証券取引所に上場している企業
-
保険業を営む相互会社
-
日本又は外国の国・地方公共団体
-
独立行政法人
-
特殊法人・認可法人
-
日本の国・地方公共団体認可の公益法人
-
日本の証券取引所に上場している企業 など
簡単にいうと
・上場企業
・大企業
・国や自治体関連の法人
などが対象です。
●特徴
・社会的信用が高い
・事業の安定性が高い
・既に十分な実績がある
●審査のポイント
これらの企業は既に信頼性があるため、
提出書類が大幅に簡略化されるのが特徴です。
②カテゴリー2(安定した企業)
カテゴリー2は、一定の規模と実績がある企業です。
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人とされています。
ざっくりいうと
・中堅企業
・継続的に事業を行っている会社
などが該当します。
③カテゴリー3(一般的な企業)
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)とされています。
多くの中小企業や既存の会社が該当すると考えてよいでしょう。
●審査のポイント
・事業内容
・売上
・取引先
などについて、一定の資料提出が求められます。
④カテゴリー4(設立直後・小規模)
カテゴリー4は
カテゴリー1,2,3いずれにも属さない個人・団体とされています。
カテゴリー4は、最も審査が厳しくなる区分です。
・設立したばかりの会社
・実績がまだない事業
・個人事業に近い規模
などが該当します。
●審査のポイント
事業計画の内容が極めて重要になります。
入管は、
・本当に事業が成り立つのか
・継続できるのか
を厳しく確認します。
3.カテゴリーごとの必要書類の違い
カテゴリーによって、提出する書類の量や内容が変わります。
カテゴリー共通
提出書類:
〇在留資格認定証明書交付申請書
〇写真
〇返信用封筒
①カテゴリー1
比較的簡略化されています。
提出書類:
○四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
○主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
など
ポイントは、企業の信用力が既に証明されているため、詳細な説明が不要 という点です。
②カテゴリー2
提出書類:
○前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)
事業の実態を示す資料が必要です。
③カテゴリー3
必要書類:
○前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)
〇申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
(1)日本法人である会社の役員に就任する場合
役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録の写し 1通
(2)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合
派遣状、異動通知書等 1通
(3)日本において管理者として雇用される場合
雇用契約書等 1通
〇経営・管理に関する専門的な知識を有する者による評価を受けた事業計画書の写し 1通
〇事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
(1)当該事業を法人において行う場合には、当該法人の登記事項証明書の写し
(法人の登記が完了していないときは、定款その他法人において当該事業を開始しようとしていることを明らかにする書類の写し)1通
(2)勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書 1通
(3)その他の勤務先等の作成した上記(2)に準ずる文書 1通
〇直近の年度の決算文書の写し 1通
〇事業を営むために必要な許認可の取得等をしていることを証する資料
(1)申請に当たっての説明書(参考様式)1通
(2)許認可の取得等をしていることを証する許可書等の写し
〇事務所用施設の存在を明らかにする資料
(1)不動産登記簿謄本 1通
(2)賃貸借契約書 1通
(3)その他の資料 1通
〇事業規模を明らかにする資料
(1)常勤の職員が一人以上であることを明らかにする当該職員に係る賃金支払に関する文書及び住民票その他の資料
(2)貸借対照表 1通
(3)登記事項証明書 1通
(4)その他事業の規模を明らかにする資料 1通
〇日本語能力を明らかにする資料
(1)申請に当たっての説明書(参考様式) 1通
(2)日本語能力を有する者(申請人を除く。)の住民票 1通
(3)経営者又は常勤の職員が日本語能力を有することを証する次のいずれかの資料
ア試験により証明する場合には試験の合格証、成績証明書 1通
イその他の方法により証明する場合には日本語能力を有する者の身分及び経歴を証する資料(卒業証明書等) 1通
(4)日本語能力を有する者が常勤の職員(申請人を除く。)である場合は、当該職員に係る賃金支払に関する文書 1通
〇経歴を明らかにする次のいずれかの資料
(1)学歴による証明の場合
経営管理に関する分野又は申請に係る事業に関連する分野において博士の学位、修士の学位又は専門職学位を有していることを証する文書(学位証明書)1通
(2)職歴による証明の場合
ア関連する職務に従事した機関並びに活動の内容及び期間を明示した履歴書 1通
イ関連する職務に従事した期間を証する文書(在職証明書等) 1通
④カテゴリー4
最も多くの書類が必要になります。
カテゴリー3の提出書類に加えて
〇前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料
(1)源泉徴収の免除を受ける機関の場合
外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料 1通
(2)上記(1)を除く機関の場合
-
給与支払事務所等の開設届出書の写し 1通
-
次のいずれかの資料
(ア) 直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し) 1通
(イ) 納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料 1通
主な必要書類を挙げると
・詳細な事業計画書
・資金の出どころの説明
・事務所の契約書
・取引予定資料
・収支計画
等になります。
ポイントは、
「これから事業が成立すること」を証明する資料 です。
4.カテゴリーが審査に与える影響
カテゴリーは、単なる分類ではなく、審査の内容そのものに影響します。
①審査の厳しさ
・カテゴリー1 → 比較的簡易
・カテゴリー4 → 非常に厳格
という傾向があります。
②重視されるポイント
カテゴリーによって、重視されるポイントも異なります。
・カテゴリー1〜2 → 実績・信用
・カテゴリー3 → 実態
・カテゴリー4 → 将来性・計画
③許可率への影響
一般的に、カテゴリー4が最も不許可リスクが高いとされています。
特に、
・事業計画が不十分
・資金説明が曖昧
な場合は不許可となる可能性が高くなります。
5.経営管理ビザ申請の注意点
カテゴリーを踏まえて、以下の点に注意が必要です。
①カテゴリー4は準備がすべて
設立直後の申請では、
・事業計画
・資金説明
・実現性
が非常に重要です。
ここが弱いと、不許可の可能性が高まります。
②書類の「質」が重要
単に書類を揃えるだけでなく、
・具体性
・整合性
・説得力
が求められます。
③専門家の関与が有効
特にカテゴリー4の場合は、
行政書士などの専門家が関与することで、
・書類の精度向上
・不備の防止
につながります。
まとめ
経営管理ビザのカテゴリーとは、企業の信用力や事業の実態に応じた区分で、申請に大きな影響を与える重要な要素です。
ポイントを整理すると、
・カテゴリーは1〜4に分類される
・番号が小さいほど審査が簡略化される
・カテゴリー4は最も審査が厳しい
・必要書類はカテゴリーによって異なる
特に、設立直後の会社はカテゴリー4となるため、事業計画の完成度が許可の鍵となります。
経営管理ビザは、単に会社を作れば取得できるものではなく、事業の実態と将来性を証明する制度 です。
カテゴリーの違いを正しく理解し、自分の状況に応じた準備を行うことが、許可取得への近道となります。